監修:田中雄紀 歯科医師 / 医療法人社団LOHAS つなしまファミリー歯科
「うちの子は乳歯がきれいに並んでいて安心」——そう思っている保護者の方に、あえてお伝えしたいことがあります。実は、乳歯がすき間なくびっしり並んでいる子どもほど、永久歯に生えかわったときに歯並びがガタガタになりやすい傾向があるとされています。この記事では、その理由と、歯並び相談を考え始める適切なタイミングについて、綱島の歯科医院の視点でお伝えします。
「サイズの合わない靴」をイメージしてみてください
成長期の子どもに、少し余裕のある靴を履かせるのは、足が育つスペースを見込んでのことです。もしぴったりサイズの靴しか用意しなければ、足はすぐに窮屈になってしまいます。歯並びも、これと似た関係にあります。
永久歯は、乳歯よりもひとまわり大きなサイズで生えてきます。乳歯の段階であらかじめ適度なすき間(発育空隙)があれば、そのすき間が永久歯のための”伸びしろ”となり、スムーズに並びやすくなります。逆に、乳歯の時点であごのスペースいっぱいにすき間なく並んでいると、大きな永久歯が生えてくるための余裕がなく、ガタガタと重なり合って生えてきやすくなるのです。
小学6年生の約4割が「上の歯のガタガタ」を経験
これは決して珍しい現象ではありません。調査によれば、小学6年生の42%程度、およそ5人に2人が上の歯の乱れを経験しているとされています。原因の多くは、歯そのものの大きさとあごの大きさのアンバランスにあり、体質というより、成長の過程で起こりやすい自然な現象といえます。
あごの発育には「子どもだけが使える時間」がある
ここで知っておいていただきたいのが、上あごの発育のタイミングです。上あごの成長は、6〜7歳ごろまでに全体の75〜90%程度が完了するとされています。つまり、あごの土台そのものを広げるようなアプローチができるのは、この時期に限られた”子どもだけが使える時間”だということです。
大人になってから歯並びを整える場合、あごの成長というアプローチはすでに使えないため、歯を削ったり、場合によっては抜歯を伴ったりする方法で対応することが多くなります。子どもの時期に相談することの価値は、この「あごの成長を利用できるかどうか」という一点に集約されるといっても過言ではありません。
歯並びの乱れが、将来の虫歯・歯周病リスクにもつながる
歯並びが乱れていると、歯ブラシが届きにくい部分ができ、磨き残しが生じやすくなります。磨き残しが慢性的に続けば、虫歯や歯周病のリスクが高まり、結果として歯の寿命を縮めることにもつながりかねません。歯並びを整えることは、見た目だけでなく、将来にわたってご自身の歯を守るための予防的な取り組みでもあります。
相談の適齢期は5〜7歳ごろ
小児矯正の相談に適した年齢の目安は、5〜7歳ごろとされています。この時期であれば、あごの発育を利用した1期治療の選択肢を検討しやすく、必要性がなければ経過観察という判断も可能です。なお、小児矯正は多くの場合自由診療となりますが、条件を満たせば医療費控除の対象になることもあります。費用の考え方については小児矯正の費用と保険適用で詳しくご説明していますので、あわせてご覧ください。
1期治療で行うことの例
「子どもの矯正」と聞くと、大人と同じようにワイヤーを付けるイメージを持たれるかもしれませんが、1期治療の中心は「あごの成長を助け、永久歯が並ぶスペースをつくること」です。お口の状態に応じて、次のような方法を組み合わせます。
- プレオルソなどのマウスピース型装置:主に就寝時と日中の短時間に装着し、口周りの筋肉のバランスを整えながら、歯列の土台を育てます。乳歯が中心の時期から使える装置です。
- 拡大装置(床矯正など):あごの幅を少しずつ広げ、永久歯の生えるスペースを確保します。
- 習癖の改善:口呼吸、指しゃぶり、舌で歯を押す癖などは、歯並びに影響することがあります。装置と並行して、こうした習慣を見直すトレーニングを行うこともあります。
どの方法が適しているか、そもそも今すぐ始める必要があるかは、お口の状態と成長段階を診査したうえで判断します。「経過観察で十分」とお伝えすることも少なくありません。
費用の目安(当院)
相談・検査分析は無料です。乳歯が中心の時期に行うプレ小児矯正は、プレオルソ装置77,000円(税込・概ね1年間使用)、処置料・経過観察料3,300円/回が目安です。前歯が永久歯に生えかわった時期からの小児矯正は、検査診断料33,000円、基本装置料385,000円(治療終了までに使用するすべての装置代)、処置料5,500円(固定式)/3,300円(可撤式)が目安となります。装置料は分割払いにも対応しています。詳しくは小児矯正の費用と保険適用をご覧ください。
よくある質問
Q. 乳歯にすき間があれば、矯正は不要ですか?
A. すき間があることは良いサインですが、それだけで矯正が不要と判断できるわけではありません。噛み合わせ(受け口・出っ歯など)やあごの成長方向に問題がある場合は、すき間の有無にかかわらず早めの相談が望ましいことがあります。
Q. 1期治療をすれば、2期治療は必要なくなりますか?
A. 1期治療でスペースが確保できれば、2期治療が不要になる、あるいは軽く済むケースがあります。ただし、永久歯の生え方には個人差があるため、必ず不要になるとは言えません。生えかわりの経過を見ながら判断します。
綱島で子どもの歯並びが気になり始めた方へ
「乳歯だからまだ大丈夫」と決めつけず、一度お口の中を確認してみませんか。つなしまファミリー歯科では、綱島・日吉・大倉山エリアのお子さまに向けて、成長段階に合わせた歯並び相談を行っています。かかりつけとして継続的にお子さまの成長を見守っていく考え方については綱島で「かかりつけ歯科医」を持つ理由もご覧ください。
矯正歯科治療全体については矯正歯科治療について詳しくはこちらをご覧ください。
ご相談・ご予約は、お電話(045-717-9655)またはウェブ予約(24時間受付)からどうぞ。
まとめ
- 乳歯にすき間がないほど、永久歯がガタガタになりやすい傾向がある(原因は歯とあごの大きさのアンバランス)。
- 小学6年生の約4割が上の歯の乱れを経験している。
- 上あごの発育は6〜7歳ごろまでに大部分が完了し、この時期だけ成長を利用したアプローチが可能。
- 歯並びの乱れは磨き残しにつながり、将来の虫歯・歯周病リスクにも関わりうる。
- 相談の適齢期は5〜7歳ごろ。医療費控除の対象になる場合もある。
ウェブ予約・お問い合わせ
初めての方のご予約は、下記のウェブ予約から24時間受け付けています。お電話(045-717-9655)でも承ります。綱島・日吉・大倉山エリアからご来院いただけます。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の治療効果や結果を保証するものではありません。あごの発育や歯並びの経過には個人差があります。治療の必要性や開始時期は、必ず歯科医師による診査・診断のうえで判断してください。医療費控除など制度の適用可否については、税務署・税理士等の専門機関にご確認ください。
小児矯正のご相談・ご予約
この記事の内容について、綱島駅・日吉駅からアクセスできるつなしまファミリー歯科(横浜市港北区綱島東4-1-5)で直接ご相談いただけます。「まだ受けるか決めていない」段階でのご相談も歓迎しています。
費用の目安(税込)
- プレ小児矯正:相談・検査分析 無料/基本装置(プレオルソ)77,000円
- 小児矯正:検査診断料 33,000円/基本装置料 385,000円
- 処置料 3,300〜5,500円/経過観察料 3,300円(来院ごと)
※自由診療(保険適用外)の項目は税込の目安です。お口の状態により内容・金額は異なり、確定額は診査後のお見積りでご案内します。料金は改定される場合があります。


