監修:田中雄紀 歯科医師 / 医療法人社団LOHAS つなしまファミリー歯科
インプラント治療のご相談を受けていると、「骨が少ないので無理だと言われたことがある」という方に出会うことがあります。しかし、骨の量が足りない場合でも、骨造成という処置を組み合わせることで、インプラント治療の選択肢が広がるケースがあります。この記事では、綱島の歯科医院の視点から骨造成について解説します。
骨造成は「植え替え前の土壌改良」に近い
植木を新しい鉢に植え替えるとき、土がやせていたり量が足りなかったりすると、根がうまく張らず、木がしっかり育ちません。そうした場合、まず土壌を整え、必要な栄養や量を補ってから植え替えを行います。インプラントの骨造成も同じような考え方で、人工歯根がしっかりと骨に結合できるよう、あらかじめ骨の量や質を整えておく処置です。
骨が不足する主な理由
- 抜歯後、長期間そのままにしていたことで骨が痩せた
- 歯周病によって骨が吸収された
- もともと骨の厚みや高さが少ない部位だった
特に歯を失ってから時間が経っている部位は、骨の吸収が進んでいることが多く、インプラントを検討し始めるタイミングが遅くなるほど、骨造成が必要になる可能性が高まる傾向があるとされています。
骨造成の主な方法
GBR(骨誘導再生法)
骨が不足している部分に骨補填材を補い、専用の膜で覆うことで、骨の再生を促す方法です。
サイナスリフト・ソケットリフト
上顎の奥歯部分で骨の高さが足りない場合に、上顎洞(副鼻腔の一部)の下に骨を補うための処置です。
どの方法が適しているかは、CT撮影などによる精密な診査のうえで判断されます。骨造成を行うかどうか、またどの術式を選ぶかは、骨の状態や全身状態によって個人差があります。
当院が取り組む「グラフトレスサイナスリフト」という選択肢
上顎の奥歯部分で骨が足りない場合、従来はサイナスリフト(上顎洞底挙上術)で骨補填材を大きく補うのが一般的でした。当院が実践する「4Sコンセプト」では、症例によってはこの骨補填材を使う量を抑えた「グラフトレスサイナスリフト」という方法を選択できる場合があります。上顎洞の粘膜(シュナイダー膜)を挙上した空間を保つことで、骨補填材に大きく頼らずに骨の再生を促すという考え方です。
症例によりますが、この方法が選択できる場合、コンベンショナルなサイナスリフトに比べて治療期間の短期化や、手術に伴う痛みの軽減につながる可能性があります。加えて、骨幅が薄い部位ではワイドショートインプラント(直径が太く、長さを短くしたインプラント)を組み合わせることで、大掛かりな骨造成そのものを避けられるケースもあります。ただし、これらはすべての症例に適用できるわけではなく、骨の状態や上顎洞の形状によって適応が判断されます。
骨造成を伴うインプラント治療の流れ(一例)
- CT撮影・診査:骨の高さ・幅・質、上顎洞や神経の位置を三次元的に確認し、骨造成の要否と術式を決めます。
- 骨造成:GBRやサイナスリフトを行います。インプラント埋入と同時に行える場合と、先に骨造成だけを行い、骨が安定してから埋入する場合があります。
- 治癒期間:骨造成のみ先行した場合は、骨が成熟するまで4〜9ヶ月程度待つことが一般的です。同時埋入の場合は、この期間が短縮されることがあります。
- インプラント埋入・結合期間:埋入後、骨との結合を待ちます(目安3〜6ヶ月)。
- 上部構造の装着:カスタムアバットメントと人工の歯を装着し、噛み合わせを調整して完了です。
グラフトレスサイナスリフトやワイドショートインプラントが適応となる場合は、上記より工程や期間を短縮できる可能性があります。いずれも個人差があります。
手術への不安が強い方へ:静脈内鎮静という選択肢
骨造成を伴う手術は、通常のインプラント埋入より時間がかかることがあります。「手術中の音や感覚が怖い」「長時間口を開けているのがつらい」という方には、点滴で鎮静薬を投与し、うとうとした状態で手術を受けられる静脈内鎮静法をご案内しています。当院では〜2時間66,000円、〜3時間88,000円、〜4時間110,000円(税込)が目安です。全身麻酔とは異なり、呼びかけには反応できる程度の浅い鎮静で、術後は回復室で休んでからご帰宅いただけます。適応には全身状態の確認が必要です。
よくある質問
Q. 骨造成を行うと、治療期間はどのくらい延びますか?
A. 骨が再生するまでの期間を確保する必要があるため、骨造成をしない場合と比べて治療期間が延びる傾向があります。具体的な期間は骨の状態や術式によって個人差があります。
Q. 骨造成には対応できない場合もありますか?
A. はい。全身状態や骨の状態によっては、骨造成自体が難しいと判断されることもあります。その場合は入れ歯やブリッジなど、他の治療法もあわせてご提案します。
Q. 費用の目安はどのくらいですか?
A. 当院では、骨造成(小さな欠損・1ヶ所)で税込104,500円、骨造成(大きな欠損・1ヶ所)で税込165,000円、サイナスリフトで税込198,000円が目安です(インプラント本体費用とは別途)。実際の金額は診査の結果によるお見積りとなります。
「無理だと言われた」方こそ、一度ご相談を
骨造成という選択肢があることを知らないまま、インプラントを諦めてしまう方も少なくありません。当院では、CT撮影による精密な診査を行ったうえで、骨造成を含めた治療計画をご提案しています。インプラント治療全体についてはインプラント治療について詳しくはこちらをご覧ください。費用の目安はインプラントの費用相場、治療中の痛みや期間についてはインプラント治療中の痛みと期間もあわせてご参照ください。
ご相談・ご予約は、お電話(045-717-9655)またはウェブ予約(24時間受付)からどうぞ。
まとめ
- 骨造成は、インプラントが結合できるよう骨の量・質をあらかじめ整える処置。
- 抜歯後の放置や歯周病、もともとの骨量不足などが原因になりうる。
- GBRやサイナスリフトなど、部位や状態に応じた方法がある。
- 当院では症例により、骨補填材を抑えた「グラフトレスサイナスリフト」やワイドショートインプラントを選択できる場合がある。
- 骨造成の要否・術式は精密な診査のうえで個別に判断される。
- 「骨が少ないので無理」と言われた場合でも、選択肢が残っていることがある。
ウェブ予約・お問い合わせ
初めての方のご予約は、下記のウェブ予約から24時間受け付けています。お電話(045-717-9655)でも承ります。綱島・日吉・大倉山エリアからご来院いただけます。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、治療効果や適応を保証するものではありません。骨の状態には個人差があり、骨造成やインプラントが適応となるかどうかは、CT等による診査と歯科医師の診断のうえで判断されます。気になる方は自己判断せずご相談ください。
インプラントのご相談・ご予約
この記事の内容について、綱島駅・日吉駅からアクセスできるつなしまファミリー歯科(横浜市港北区綱島東4-1-5)で直接ご相談いただけます。「まだ受けるか決めていない」段階でのご相談も歓迎しています。
費用の目安(税込)
- 検査・診断料(CT撮影など):22,000円
- 通常インプラント(1本):462,000円
- 抜歯即時埋入インプラント(1本):517,000円
※自由診療(保険適用外)の項目は税込の目安です。お口の状態により内容・金額は異なり、確定額は診査後のお見積りでご案内します。料金は改定される場合があります。

