監修:田中雄紀 歯科医師 / 医療法人社団LOHAS つなしまファミリー歯科
「今の歯の状態で、この先ずっと美味しく食べられるだろうか」——そう考え始める方が増えるのが、75歳前後の時期です。この記事は、65〜75歳前後のご本人と、支えるご家族に向けて、これからの口の健康をどう設計していくかを一緒に考えるための一般的な情報をまとめたものです。
75歳前後は、口の健康の「曲がり角」になりやすい
個人差は大きいものの、75歳前後を境に、体力や認知の働き、生活の自立度が少しずつ変化していく方が少なくありません。その一つの表れが「自分で十分に歯を磨くこと」の難しさです。手先の細かな動きや姿勢の維持、細部への注意力は、歯みがきの質を左右します。
もし将来的に介護を必要とする状態になると、口腔ケアの主役は本人からご家族や介護スタッフへと移っていきます。ただ、介護する側が清掃できる範囲には現実的な限界があります。特に奥歯は、口を大きく開け続けてもらう必要があり、器具も届きにくいため、丁寧なケアが難しくなりがちです。
「最後の歯科治療」という考え方
だからこそ高齢期の治療では、「これが人生で最後にじっくり取り組む歯科治療になるかもしれない」という視点を持つことが一つの考え方として知られています。若い頃と同じように「悪くなったらその都度治す」のではなく、将来ケアの主体が変わっても無理なく管理できる状態をゴールに据えて、逆算して設計するという発想です。
ここで大切なのは、目的が「歯の本数を最大化すること」そのものではない、という点です。本当のゴールは、
- 最期まで自分の口で美味しく噛めること
- しっかり食べられることで、全身の健康を保ちやすくすること
- 結果として、健やかに長生きし、天寿を全うすること
にあります。歯は、そのための手段です。
「短縮歯列」という設計の選択肢
その考え方の一つに、奥の歯すべてにこだわりすぎず、前から数えて噛む上で主要な歯をしっかり保つという設計があります(専門的には「短縮歯列」と呼ばれる考え方に近いものです)。ケアが難しくなりやすい一番奥の領域よりも、日々の食事で確実に役立つ範囲を、計画的に良い状態で維持していくという発想です。
どの歯をどう残し、どう補うかは、お口の状態・全身の健康・生活背景によって一人ひとり異なります。必ず歯科医師による診査と相談のうえで判断する必要があります。詳しくは 65歳からの歯の残し方 もあわせてご覧ください。
「自立しているうち」に計画を立てる意義
治療には、通院を続ける体力、内容を理解して選ぶ判断、そして時間や費用への向き合いが伴います。これらは、ご自身の足で通院でき、生活が自立している時期のほうが、無理なく進めやすい傾向があります。
また、就労などで収入がある時期は、選択肢を落ち着いて検討しやすい時期でもあります。インプラントなどの自由診療を含めた計画的な治療も、選択肢の一つとして検討しやすくなります。あわせて、一定の条件を満たすと医療費控除といった一般的な制度を利用できる場合もあります(詳細は税務署や税理士など専門機関にご確認ください)。
これは「急いで治療を受けましょう」と急かすためのお話ではありません。むしろ逆で、時間に余裕があるうちに、ご自身のペースでじっくり考えていただくための材料です。先送りにすると選択肢が狭まってしまうことがある——その事実を穏やかにお伝えしたい、という趣旨です。高齢期のインプラントについては 高齢期のインプラントという選択 でも詳しく解説しています。
ご家族にお伝えしたいこと
この時期の意思決定は、ご本人だけでなくご家族にとっても大切なテーマです。将来、口腔ケアを支える立場になるかもしれないご家族が、早い段階から一緒に方針を共有しておくことで、いざというときの負担や迷いを減らしやすくなります。「どこまで治療し、どう保っていくか」を、ご本人の希望を中心に、家族で話し合っておくことをおすすめします。
まずはご相談ください
つなしまファミリー歯科では、綱島・日吉・大倉山エリアの皆さまのお口の健康を、長い目でご一緒に考えていきます。「最後の歯科治療」をどう設計するか、今のお口の状態から一緒に見つめ直してみませんか。
- お電話でのご予約・ご相談:045-717-9655
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綱島・日吉・大倉山からアクセスしやすい立地です。ご本人はもちろん、ご家族だけのご相談も歓迎しています。
ウェブ予約・お問い合わせ
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本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療方針を保証するものではありません。治療内容や効果には個人差があります。インプラント治療などは自由診療(保険適用外)です。実際の治療方針は、必ず歯科医師による診査・診断のうえで決定します。医療費控除など制度の適用可否や詳細については、税務署・税理士等の専門機関にご確認ください。

